認知心理学 cognitive psychology
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認知心理学は人間がものごとを認識する仕組みを科学的に明らかにする学問です。
--ISBN:978-4641150270 基礎から学ぶ認知心理学
初期の特徴
心の活動を 心的表層 mental representationという水準で分解しようとする
表層とは内的に構成される対象表現
入力と出力だけ考える行動主義とは違い、主体の内面に切り込んで表層がどのように処理されるかという過程も扱う
計算論的モデルを用いて心を理解しようとすること
人間と同様の知的処理をするためにはどのようなプログラムが必要かを検討する
感情、文化、社会という要素を棚上げし個人の記号処理に関心が集中している
30年ほど経過して
環境、社会、感情との相互作用
個人の記号処理過程のモデル化からの解放
相互作用 interactionの観点
生態学的妥当性 ecological validity
生態学的心理学 ecological psychology
統制された実験室の中で蓄積されたデータへの批判
社会的認知 social cognition
認知的不協和 cognitive dessonance
認知的斉合性 cognitive consistency
状況的認知 situated cognition
主体と状況の協調的関係の中で人々の賢さを理解する
ハッチンス
大型船舶のチーム航行
おのおのが活動する
すべてを把握している人間はいない
各メンバーで調整が必要であるがその手続きが明示的に表現されているわけではない
局所的な相互作用の結果として全体的作業の実行の構造が自然と発生する
大型船の運航という知的作業は、制度的分業体制、各種道具テクノロジーコミュニケーションなどの状況との相互作用で生まれる
社会的分散認知 social distributed cognition
認知とは個人の頭の中だけでなく状況(社会)の中に分散している
道具があるから知的作業ができる
エスノグラフィー ethnographyと呼ばれる質的研究法 qualitative research methodの発展
温かい認知 warm cognitionに代表される内部における相互作用
感情が認知に及ぼす影響
凶器注目効果 weapon focus effect
認知神経科学 cognitive neuroscienceや進化心理学 evolutionary psychologyからの寄与
認知神経科学 -> 脳への関心の高まり -> 計算モデルの進展 -> ディープラーニング deep learning
60年
進化心理学 evolutionary psychology
心理的メカニズムには文化を越えた普遍性があり進化的基盤がある
例えば友達に馬鹿にされて怒りを覚えるなどは誰かに教わったわけではない
意義
不合理なヒューリスティックやバイアスが存在することの意味を示唆している
あるこうどうが不合理にみえるのはものさしが間違っている可能性
不合理な解でも適応的観点からは合理的な可能性
単純な認知心理学的な誤りへの深い理解が可能になる
身体化認知 embodied cognition
身体感覚や状態が認知に与える影響
歴史
行動主義 behaviorismの全盛
認知革命 cognitive revolutionの流れ
コンピュータサイエンスとの合流
人間の認知を情報処理の過程に見たててモデル化する方法を情報処理アプローチなどそれまでとは全く異なる研究の流れ
1956/09 マサチューセッツ大学でシンポジウムが開かれる
認知科学 cognitive scienceという学問領域が生まれる
認知心理学はその一部
1967 ナイサーが「認知心理学」という本を出版し認知心理学という言葉が認識される